院長ブログ

インフルエンザ予防接種

当院では10/7からインフルエンザ予防接種を行っています。今年はワクチンの中身が変更になったり、一部報道でワクチン不足が話題になったりしましたので少し解説いたします。

今シーズン(2015-2016)から、インフルエンザ予防接種のワクチンが全国一斉に変わりました。これまでは3価(A型2株 + B型1株)であったワクチンが、4価(A型2株 + B型2株)になったのです。つまりB型インフルエンザのワクチンが1種類追加され「レベルアップ」したのです。

もう少し詳しく説明します。主に流行するB型インフルエンザは、「山形系統」か「ビクトリア系統」と呼ばれる2つのタイプです。これまでは、両方が同時に流行することが少なかったため、シーズン前にどちらが流行するかを予測し、一方だけをワクチンに入れていました。つまり予想が外れる場合もあったのです。今シーズン(2015-2016)からは、両方が入っているワクチンになりますので、どちらのB型インフルエンザが流行しても、もし両方が流行したとしても、予防効果を発揮することができるようになるのです。

では、今までなぜ4価(4種混合)の「インフルエンザワクチン」が使われなかったのでしょうか?それには理由がありました。日本では、「生物学的製剤基準」によって、薬に含まれるタンパク質の上限量が定められています。この制限は、薬に病原性のあるタンパク質が混入すること等を防ぐために設けられたものですが、この制限によって、インフルエンザのワクチンを3株までしか入れることができませんでした。これまで、世界保健機構(WHO)も3価(A型2株 + B型1株)のインフルエンザワクチンを推奨していたこともあり、正しい予測がされれば問題ありませんでした。しかし、最近は2株のB型インフルエンザが同時流行する傾向が増えてきたため、4価のインフルエンザワクチンが求められていました。このことから今シーズンから4価になったというわけです。アメリカは日本に先立って2013-2014のシーズンから4価のワクチンを導入し、A型・B型インフルエンザを予防する際に有効であることを報告しています。

但しデメリットとしてワクチンに含まれるウイルス株が増えたことで、ワクチンの卸売価格が約1.5倍に値上がりしてしまいました。これに伴い、インフルエンザ予防接種の値段がほとんどの医療機関で数百円値上がりになったのです。

時々聞く質問に「なぜ予防接種は医療機関によって値段が違うのですか?」というものがあります。これは予防接種が「自由診療」といって健康保険の対象になっていないのが理由です。「保険診療」は国が一律に値段を決めていますが、「自由診療」は医療機関が個別に値段を設定します。むしろ相談して決まった値段にすることは公正取引委員会の指導により禁じられています。ラーメンも美容院の値段も店ごとに違うのと同じ理屈です。インフルエンザのワクチンは大手4社しか製造しておらず、原価はほとんど同じです。飲み薬などのようにジェネリック医薬品というものは存在しませんので、インフルエンザ予防接種の値段は基本的に医療機関の利幅で決まります。当院のワクチンも最大手の製薬会社より仕入れております。当院がインフルエンザ予防接種の値段を他院よりやや安めに設定しているのは、なるべく負担少なくご希望の方に受けていただきたいとの気持ちからです。なお、厚生労働省からいくつかの問題点を指導うけたため検定合格が遅れ、ワクチン不足の原因と報道された「化血研」のワクチンは当院では採用していません。

もう一つのよくある質問は予防接種したのにインフルエンザになったというものです。残念ながら、インフルエンザの予防接種は発症を完全に阻止はできません。それでもおすすめするのは発症の確率を下げること、万が一発症しても重症化を防ぐ効果があることです。小さなお子さんなどの場合、時に「インフルエンザ脳症」といって重大かつ一生続く脳障害を起こすことがありますが、ワクチン接種をしておくことで「インフルエンザ脳症」を減らすことができるとされています。高齢者の場合、インフルエンザを契機に肺炎などを起こし生命にかかわることも少なくなく「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」においても、ワクチン接種が推奨されています。更に、近年は抗ウイルス薬に耐性を持ったインフルエンザウイルスが出現しています。こうした状況からも、インフルエンザの予防接種を受けることをお勧めします。

もし、自分1人が予防接種を受けなくても、もしかするとインフルエンザにはならないかもしれません。でもそれは、周りの人たちが予防接種を受けて”感染源”を減らしてくれているからに他なりません。また、一部ネット上などで「インフルエンザワクチンは打たないで」という情報も広まっているようですが、古い情報と誤解による誤ったものです。

効果は4~5か月続きますし、効果が出るのは注射してから3~4週以上たってからですので、そろそろ受けていただいたほうが良い時期です。特に12歳以下のお子さんは原則2回接種ですので急がれたほうがよいです。決まりでは2~4週間隔となってはいますが、より高い効果を期待するならば10~11月上旬に1回目を行い2回目は3~4週間後にうけるとよいです。すでに日によっては予約が埋まってきていますので予定を決められたら早目にネットからご予約ください。予約方法など詳しくは

「2015年度インフルエンザ予防接種について」

http://miyamaedaira-jibika.com/influenza.html

をご覧になってください。

なお、ワクチンの準備や他の方へのご配慮として直前のキャセルはなるべく避けてください。突然の体調不良はやむを得ませんが、それ以外の場合はなるべく早い段階での変更・取消にご協力お願いします。

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当院は神奈川県川崎市宮前区の耳鼻科「宮前平トレイン耳鼻咽喉科」です。東急田園都市線宮前平駅前にありますので、渋谷駅、二子玉川駅、溝の口駅、梶が谷駅、宮崎台駅、鷺沼駅、たまプラーザ駅などから便利です。川崎市(高津区、多摩区、麻生区、中原区など)はもちろん、横浜市青葉区・都筑区・港北区などの神奈川県内全域、世田谷区・渋谷区など東京都内からの患者さんも多数来院いただいています。

 

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