院長ブログ

補聴器のオススメ

[ 公開日: 2014/10/17 ]

開業して、1週間以上たちました。おかげさまでだいぶここでの仕事も板についてきました。

最近、難聴や耳鳴りでお悩みのかたが多いです。もちろん聴力を良くできる場合は、耳鼻科医は最善をつくすものです。耳垢、中耳炎、外耳炎などが治すべき病気です。耳の神経が具合悪くなる病気でも、早期の突発性難聴やメニエル病は治る可能性がある病気です。しかしながら、それ以外の時間のたった病気は治す治療がないものが多いのです。代表的なものは、加齢性の難聴です。正式には「老人性難聴」というのが診断名です。

最近では、65歳はもちろん、70・80・90歳台でも大変お元気な方が多いです。しかし、体や頭はお若くても耳でお困りの方はおられます。当院にこられますと、耳の中を診察し特に見た目に異常がなければ、聴力検査をすることになります。その結果、多くの場合35〜50dB(デシベル)くらいの方が多いです。若い方はおよそ10〜20dBが正常ですので、聴力が悪いのは間違えありません。ただ35〜50dBくらいですと、対面ではっきり話せばほぼ通じてしまうものです。あくまで聞こえないのは、声の小さい人、発音がはっきりしない人、早口の人、周囲がうるさい時、相手が離れている時などのみで困るのです。従って耳鼻科へ来る方は多くはありませんし、たとえ補聴器をお勧めしても、実際に購入するにいたらないことが多いのです。

しかしそういう方にこそ、補聴器を試して欲しいのです。当然ですがをつければ、今までよりもよく聞こます。こればかりは、実際に体感してもらうほかはありません。当院受診されたのちにご希望あれば、月曜と金曜の午前に補聴器相談を予約制で行っております。お話をゆっくり伺い、必要とあれば実際に装用してもらい、一定期間無料でお貸出しすることもしています。その結果、納得いただきはじめてお買い求めいただく流れになっています。もちろん必要性を実感できない場合はお買い求めいただくなくていっこうにかまいません。

しかし一度も試すことなく、補聴器を敬遠されるかたも多数おられます。誰しもいつまでも若くいたいのは当然ですし、老いを認めたくないものです。ですが、聞こえにくいままでは当然若々しいとはいえません。むしろ、補聴器をつければ今まで聞こえなかったことも聞こえるようになりますので、家族やお友達との会話が弾むようになります。外出する機会も増えていくものです。その結果、その後も若々しくいれるのです。

補聴器をつけてもうまく聞こえない、ピーピーおとがして役に立たないとおっしゃる方もおられます。その多くは、調整不足です。補聴器は作っておしまいというわけにはいきません。何度も何度も様々な調整を行い、その人にあった役に立つ補聴器が完成します。当院に出入りする担当者はその辺の技術や経験のある方にお願いしています。ちまたでは補聴器の調整に必ずしも精通していないお店で補聴器を多数販売しています。眼鏡店、時計店、宝石店、出張販売、通信販売などでは補聴器に詳しい専門の人がいないことが多いです。そういうお店の多くは必要もない方に補聴器を販売したり、販売後のアフターケアがきちんと行われていません。また不必要に高額の補聴器を販売するケースも多いです。大変困ったことです。日本耳鼻咽喉科学会では必ず耳鼻科で相談後、認定補聴器専門店などでの購入をすすめています。また専門の資格として「補聴器相談医」というものを設けております。

数年前よりも性能は大幅に向上し、値段はかなりリーズナブルになってきました。デザインもかなり増えてきました。なんとか聞こえるからいいやとおっしゃらず、聞こえにくいことがあり、聴力検査でもそういう結果が出ましたら、ぜひ一度補聴器相談を受けていただき試用していただければと思います。

 

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