院長ブログ

耳鼻科と小児科の使い分け

[ 公開日: 2016/6/11 ]

よく聞く質問に「(子供が風邪の時、)耳鼻科と小児科のどちらに掛かればよいですか?」というものがあります。

私は鼻が多いときは耳鼻科に来てください。熱はあってもなくてもどちらでも大丈夫です。まったく鼻水がない熱や咳は先に小児科のほうがよいかもしれません。とお話しすることが多いです。

耳鼻咽喉科は読んで字のごとく、「耳」「鼻」「のど」が専門です。正確にはそれ以外に、「口の中の歯科領域以外」「くびの前のほう」なども耳鼻咽喉科の範囲です。よく、首から上で、「眼科」「脳外科」「歯科」の受け持ち以外が「耳鼻咽喉科」の領域などとも言います。

「よくある風邪」でありがちな症状というと、「鼻水」「咳」「のどの痛み」などでしょう。すなわちその多くは耳鼻咽喉科領域なのです。特に鼻の中や、のどは得意中の得意なのです。そして、耳鼻科を気楽に受診してほしい最大の理由は、風邪で鼻水が多いときに驚くほど中耳炎がたくさん隠れているからです。「急性中耳炎」であれば痛みや熱が出ることももちろん多いですが、それらの症状がないこともとっても多いです。また「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」はそもそも痛みや熱はないのが特徴で、お子様の場合は耳鼻科医が見つけないと誰にも気づかれずに長期化し将来の難聴や慢性中耳炎の原因になりかねません。しかしながら子供の耳はとても狭く、内視鏡や顕微鏡で見なければ正確な観察はできません。最近は一部の小児科の先生が耳を見てくれるようになってはいますが、やはり正確な耳の診断は耳鼻科医の得意分野です。単に「赤い」「赤くない」「中耳炎っぽい」「中耳炎のなりかけ」だけではまずいのです。

また、熱がなく鼻が多いときはアレルギー性鼻炎や花粉症、副鼻腔炎についても判断が必要です。こちらも耳鼻科しか正確な診断はできません。なぜなら耳鼻科だけが、鼻の中の粘膜を直接見るからです。また、鼻が多い時に単に薬を処方してもあまり楽にはなりません。鼻水を吸い取ってあげるととても楽に早くよくなります。特にお子様は自分では十分に鼻を出せませんので、大人以上に耳鼻科受診の価値が高いです。

「熱があるから小児科」と決めつけずに、その時々の症状で是非受診する科を決めていただければと思います。むしろ熱があるときこそ、中耳炎や副鼻腔炎ではないかの判断が重要です。

耳鼻科は「耳」「鼻」「のど」の専門科ですので、その他は決して得意ではありません。鼻やのどに何も症状がないときは、小児科などを先に受診するのがおススメです。気管支、肺、おなか、下肢などは耳鼻科医は得意ではありません。

もしお子様が風邪と思ったときは、鼻に注目して受診する科を決めるのが得策です。もちろん「のど」も得意です。当院では、特に重要な溶連菌やインフルエンザについては積極的に迅速検査キットも用いております。要は、耳鼻科は多くの風邪症状やそれに伴う症状がと~っても得意だとお話ししたかったのです。

 

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「宮前平トレイン耳鼻咽喉科」は神奈川県川崎市宮前区、東急田園都市線宮前平駅の目の前にあります。渋谷駅、二子玉川駅、溝の口駅、梶が谷駅、宮崎台駅、鷺沼駅、たまプラーザ駅などからの通院に大変便利です。川崎市(宮前区、高津区、多摩区、麻生区、中原区、幸区、川崎区など)はもちろん、横浜市青葉区・都筑区・港北区・緑区などの神奈川県内全域、東京都(世田谷区・渋谷区など)からの患者さんも多数来院いただいています。お子様の発熱は風邪以外に中耳炎が原因のことが予想以上に多いです。特に乳幼児、保育園児、幼稚園児は要注意です。当院は中耳炎の診断・治療はもちろん、風邪治療も専門にしていますので気軽に受診ください。

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