院長ブログ

花粉症の飲み薬2(抗ヒスタミン薬以外)

[ 公開日: 2015/1/20 ]

抗ロイコトリエン薬

前回お書きした抗ヒスタミン薬についで処方する機会が多い薬です。抗ヒスタミン薬と異なり理論上は眠気が出ないとされている薬です。鼻づまりに効果が強いのが特徴です。一般的には第二世代抗ヒスタミン薬と一緒に処方することが多いです。花粉症が中等症~重症でしかも鼻づまりを来しやすい方にお勧めです

また喘息を含めアレルギーの咳にも効果があります。スギ花粉が誘引となって咳やぜんそく症状をおこすかたはかなり多いのですが、そんな方にもとってもおすすめです

副作用が少なく処方しやすい薬です。少ない欠点は薬代が高めなことでしょうか。しかしそれを差し置いても非常によい薬だと思っています。

 

漢方薬

最も有名な薬は「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」です。かなり効果が高い抗ヒスタミン薬との比較で、同等との結果が出ている薬です。特に鼻水、くしゃみには効果が高いです。また抗ヒスタミン薬と異なり眠気が出ないです。むしろ目がパッチリするような成分も入っています。ただ体力が中等度以上の方にはおすすめしますが、体力が弱い方や高齢者にはあまり向かないかもしれません。

しかし、ご安心ください。花粉症に効果がある漢方は他にもいくつかありますので、ご希望でしたらご相談ください。

一点だけ注意。妊娠中の花粉症のかたには原則飲み薬は禁止です。漢方だからと言って安全だということはありません。小青竜湯を含む花粉症にきく漢方の多くには「麻黄(まおう)」が入っているのですが、妊娠中はおすすめできません。漢方に詳しくない医師の場合は根拠なしに、「漢方なら妊娠中でも大丈夫だろう」との判断で処方される場合がありますのでご注意ください。

 

第一世代抗ヒスタミン薬とステロイドの合剤

もっとも有名な薬は「セレ〇タミン」です。ジェネリックも出ていますので名前が違っても同じ成分のこともあります。

長期に服用はしないほうが良い薬です。良い点はとっても効果がよい点。悪い点はまず第一世代抗ヒスタミン薬ですので、強い眠気、脳機能の低下、眼圧上昇の恐れなどでしょうか。またステロイドの飲み薬でもありますので、長期に飲めば胃・十二指腸の潰瘍のおそれ、血糖上昇のおそれ、むくみ、月経異常などなどさまざまな副作用も心配です。短期間であれば副作用はさほど心配ないのですが、この薬を使わなくてももっと安全な薬で十分効果が期待できるのに、一部の医師や患者さんも安易に使っているケースが多いのです。私はほとんどこの薬は処方しません。花粉症治療にそこまで危険を冒さなくとも、ほとんどの方の花粉症はコントロールできます。

 

飲み薬のステロイド

さまざまな薬があります。確かに効果は高いです。ひどい時限定で短期間なら悪くないとは思いますが、できれば使わずに済むように普段からの良い治療をするのが理想です。長期に多量に飲めば胃・十二指腸の潰瘍の恐れ、血糖上昇の恐れ、むくみ、月経異常などなどさまざまな副作用が心配です。

 

次回は点鼻薬についてお書きいたします。

 

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