院長ブログ

保育園・幼稚園児の鼻かぜは小児を専門にする耳鼻科へ!

[ 公開日: 2015/4/20 ]

今春、新入園、新入学の方がたくさんおられたと思います。ご入園、ご入学おめでとうございます。ただ、そんな季節は体調を崩すお子さんが多い季節でもあります。特に、保育園に初めて入ったお子さんですでにたくさんの鼻水、ひどい咳、さらには発熱、中耳炎でお困りの方は多いと思います。

そんな時は是非頼りになる耳鼻咽喉科を味方につけてください。その名の通り耳鼻咽喉科は「耳」「鼻」「のど」のプロフェッショナルです。

小児科や内科ではなく耳鼻科を受診するメリットですが、

1 鼻水を吸引除去することは呼吸を楽にし、病気が早くなおります。風邪(初期の多くはウイルス感染です)を早く治す特効薬薬はありません。鼻水をとればウイルスやばい菌は当然減りますし、ぐっすり眠れるようにもなりますのでなおさら早く治るようになります。

2 症状を和らげる薬はもちろん処方します。小児科などでも鼻や咳に出す薬は当院でもほとんど出せますし、ご希望によっては漢方薬もお出しします。西洋薬と違い漢方薬には症状を早く治す薬もあります。特にある漢方は発熱にはかなり即効性が期待できます。

3 耳を正確にきちんと観察します。鼻水が多いときはたとえ熱も痛みもなくてもかなり高い確率で中耳炎が見つかります。当院では内視鏡を用いて診察しますので見落としはありません。他院のように「中耳炎になりかけ」などと言った無責任な発言はしません。気がつかずに放置されれば、難治化し成人後にもなおらない難聴や慢性中耳炎の原因によくなります。

4 必要な耳掃除はきちんと行います。乳幼児の耳はとても狭く難しいですので、家ではまったくなさらずに耳鼻科医に全面的に任せることをすすめます。綿棒などで掃除すると、奥に押し込んでしまい大変取りにくくなってしまいます。お風呂上がりに毎回綿棒などというのはもってのほかです。普段は何もせず、年2~3回耳鼻科で処置をうければ一番安心です。耳掃除だけでの受診でもよいですし、風邪の受診のついでの耳掃除の依頼でも大歓迎です。

このようにいわゆる風邪のときは実は耳鼻科を先に受診するメリットが多いのです。「こどもの病気は全て小児科」と考えずに、耳、鼻、のどに原因がありそうなときは是非、「こどもを専門にしている耳鼻科」を頼りになさってください。当院は小児耳鼻咽喉科を標榜していますように、子供とその親御さんの「耳」、「鼻」、「のど」の悩みには全力で対処したいと考えております。

もちろん、耳、鼻、のど以外の病気になることもたくさんあるでしょうから、頼りになる小児科の先生も見つけておいてください。よい小児科の先生を見分けるポイントを3つお教えします。

・きちんと病名を説明してくれること。

当たり前だと思うかもしれませんが、それをしてもらっていない患者さんはとても多いのです。

・抗生剤は必要なときのみに処方し、ただの風邪には処方しないこと。

風邪です」「熱があるから」「鼻が黄色いから」を理由に抗生剤が処方されたならば、不適切処方の可能性が高いです。風邪には抗生剤は有害無益と報告しているガイドラインもあります。また鼻が膿性といって処方しても副鼻腔炎でない限りは効果はないとも報告されています。とくに「オゼックス」や「オラペネム」といった重症用の抗生剤をいとも簡単にしょっちゅう出す先生はもっとも要注意です。

抗生剤の処方については適正使用を守らぬ医者が多数いますので、本当に要注意です。きちんと処方しないと耐性菌を増やしてしまい、重症の中耳炎のときなどいざというときに全く効きませんので大変なのです。

・中耳炎かもしれないと診断したときには、抗生剤を出さずに即日耳鼻科受診をすすめること。

中耳炎といって急性中耳炎と滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)があり、後者には抗生剤は有害無益です。また急性中耳炎でも軽症ならば3日は抗生剤なしを「小児急性中耳炎診療ガイドライン」では推奨していますし、抗生剤を出すときもその種類や量も規定されています。重症度の診断、抗生剤の必要性の判断、適切な抗生剤の種類と量の決定には内視鏡や顕微鏡が必須ですので、正しい中耳炎の診断・治療は耳鼻科でないとまず行えないのです。

 

 

「餅は餅屋」とはよく言ったものだと思います。美味しいお餅はスーパーではなかなか買えませんよね。中耳炎かどうかの判断と中耳炎の治療は最初から耳鼻科にお任せください。

 

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