カモガヤ花粉症、イネ科花粉症って何??
[ 公開日: 2020/5/13 ]
4月下旬~6・7月くらいに、「くしゃみ」、「鼻水」、「目のかゆみ」などの症状がある方は、実はカモガヤ花粉症(イネ科花粉症)である場合がとても多いです。日本では知名度は低いですが、実際には患者さんはかなり多く、風邪と勘違いしている方もよくいらっしゃいます。
スギ花粉症は日本独特のものであり、世界的には花粉症といえばイネ科花粉症が最も一般的です。ちなみに花粉症は英語ではhay fever(直訳すれば枯草熱)と言います。
イネ科花粉症といってもお米がとれる稲の花粉はあまり花粉症とは関係ありません。イネ科花粉症の原因植物は、カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリなどで、もともとは海外から輸入された牧草です。寒さに強く繁殖力があることから、雑草として日本全国に広がりました。
とくに花粉症の原因になりやすく重要なのはカモガヤです。毎年4月末~7月を中心に花粉症の原因になるイネ科の雑草です。草丈は60㎝〜120㎝程度で、葉は緑色、枝の先に小さな白っぽい花が集まって咲きます。特に多いのは河原、公園などですが、庭や住宅地の空き地、道路脇などに多数生えています。
イネ科花粉症はくしゃみ・鼻みず・鼻づまりが中心で、目のかゆみ・充血もあり、症状はスギ花粉症とおよそ同じです。花粉に接触すると皮膚症状がでる場合もあります。
イネ科花粉など草の花粉の特徴は遠くには飛ばないことです。飛散範囲は数十m程度。つまり近づかなければあまり影響はありません。スギなど樹木の花粉が数十キロメートル以上飛散すること大きく異なります。
公園や河原の草を個人で刈り取ることは現実的ではありませんが、自宅の家の庭などに雑草が生えているようならば、なるべく早めに草刈をしておくことは有用です。その際はマスクを着用し花粉を吸い込まないようにしてください。または、花粉症ではない家族に草刈をしてもらうこともよいでしょう。
カモガヤ花粉症(イネ科花粉症)の方の多くはスギやヒノキ花粉症も持っています。つまり春の花粉症が長引き、いつまでもくしゃみや鼻づまりが続くなどの場合はカモガヤ花粉症(イネ科花粉症)がとても疑わしいです。是非、アレルギー採血検査を受けてみましょう。当院では、5mlくらいの少量の採血でカモガヤ・スギ・ヒノキを含んだ6種類の花粉、ほこり、ダニ、カビ、犬、猫、食物などにアレルギーがあるかどうかを検査することができます。(ただし採血を嫌がるお子さんや血管が見えにくい場合は行えない場合があります。)
前回のブログに書きましたとおり、新型コロナウイルスの心配がある今年だからこそ、何にアレルギーがあるかを知ることが大事です。事前に自分の体質を知って、もしアレルギーがあるのならば症状が軽くすむように、いつもの年以上にしっかり治療しておきましょう。花粉症やアレルギーは悪化するまでほっておくと、無意識に鼻や目を触ってしまうと新型コロナウイスに感染する機会になってしまいます。ぜひ早めの検査、治療を心がけましょう!
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