院長ブログ

フジテレビ「ポップUp!」で顔面神経麻痺について解説しました

[ 公開日: 2022/6/13 ]

6月13日お昼のフジテレビ「ポップUp!」ラムゼイ・ハント症候群の解説をしました。ジャスティン・ビーバーさんがこの病気によって顔面神経麻痺になっているとSNSで公表されたのです。

ラムゼイ・ハント症候群は突然の顔面神経麻痺に加え、耳周囲の帯状疱疹(発疹や痛み)、耳の異常(難聴、耳鳴り、めまいなど)を伴う病気です。

顔面神経麻痺のみがおこる病気のほとんどはベル麻痺という病気です。ベル麻痺は完全に元にもどることが大半で、まひが残ることはわずかです。しかし、ラムゼイ・ハント症候群による顔面神経麻痺は、症状が重症になりやすい上に、麻痺が後遺症として残ってしまうことが少なくないのです。

顔面神経麻痺はベル麻痺もラムゼイ・ハント症候群も一日でも早い薬の開始(ステロイド、抗ウイルス薬が中心)がとても重要です。少なくとも発症から3日以内に治療開始するとよいです。ベル麻痺の多くは治療がうまくいけば1~6か月でもとに戻ります。ハント症候群も適切な治療を早急に開始し、最善をつくすことが予後を改善します。

あまり知られていないのですが、顔面神経を専門にする科は耳鼻咽喉科です。それ以外の科を受診してしまい、治療開始が3日以内にできないケースが時々ありますので、ぜひ知っておいてくださいね。

ちなみに放送前日の日曜は福島県~新潟県を走るSLに乗車中でして、夜に川崎にもどりました。そのため、深夜に取材していただくことになってしまいまして、だいぶ疲れた顔でTVに映ってしまったかもしれません。

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