院長ブログ

飛行機で耳が痛くなりにくいのはエアバスA350とボーイング787

[ 公開日: 2023/6/8 ]

今日は、飛行機で耳が痛くならないためにとても有用な話を書きます。
風邪やアレルギー性鼻炎があると耳抜きができにくくなるので、事前にきちんと直しておくということはとても大事です。

が、もっと簡単かつ、かなり有効な、「耳が痛くなりにくい飛行機を選んで乗る」というお話です。

飛行機は気圧調整(与圧)をしてはいますが、地上と同じではありません。従来の多くの飛行機(ボーイング767、ボーイング737、ボーイング777、エアバス321、エアバス320などなど)は上空1万mでは標高2400mくらいの山と同じくらい気圧に調整されています。その状態からおよそ15~30分かけて着陸します。このくらいだと多くの人が耳に違和感を生じ、耳抜きがうまくできていないと痛みがでます。

ところが、最新鋭の飛行機であるエアバスA350とボーイング787は上空1万mで標高1800mくらいの山と同じくらいの気圧に調整されています。標高1800mの山と2400mの山の気圧差は結構違います。地上との気圧差が少ないエアバスA350とボーイング787ですと耳の痛みや航空性中耳炎の発生はかなり減ります。体のむくみなど、気圧による耳以外の体への影響も減ります。

エアバスA350とボーイング787が与圧をしっかりできるようになった理由は、カーボン素材を多用するようになったことです。エアバスA350は機体重量の約53%、ボーイング787は約50%にカーボン素材が使われています。航空機は気圧が低い上空を飛行する時に室内の圧力を高め、地上ではまた下げたりするので風船のように膨らんだり萎んだりしますが、金属はコレを繰り返すと金属疲労を起こすのであまり圧力を高くできないのです。カーボン素材は金属疲労をおこさないので機内の圧力を今までより高くできるそうです。カーボン素材の構造をつなぐファスナー(リベットとかボルトとか)は金属でできてるのでしょうから、地上と同じ気圧にはできないのですが、それでもエアバスA350やボーイング787は従来の飛行機に比べて大幅に快適な環境です。

また、エアバスA350とボーイング787のもう一つの特徴は加湿ができることです。従来の機体では機内の湿度は極めて低くなります。それでも金属はさびるので、安全上加湿はできなかったのです。このため従来機では、肌がカサカサになり、のどは渇き、目が乾くのです。しかし、カーボンはさびにくいので、エアバスA350とボーイング787では加湿システムが搭載されています。とっても快適になりました。

エンジン音による騒音が従来機よりもかなり小さくなっているのもエアバスA350とボーイング787の特徴です。

エアバスA350はJAL(日本航空)の主要幹線(羽田ー新千歳・伊丹・福岡・那覇など)に投入されています。与圧、加湿以外にも、外の景色がみられるモニターが全席についていたり、全席に電源、ファーストクラスの設定が12席あるなど、様々な最先端の技術が搭載されていてとてもおすすめの機材です。全日空には採用されていません。

ボーイング787はANA(全日空)が幹線を中心に就航させていて、JAL(日本航空)も一部の路線に就航させています。

エアバスA350とボーイング787は最新鋭機かつやや大型なので、まだ地方路線には就航が少なく、国内のLCCには就航していないようです。

ちなみに私はJAL派(通称「赤組」)で、飛行機にはかなり乗るほうです。エアバスA350に頻回に、ボーイング787にたまに乗りますが耳の違和感を感じることは激減しています。また従来機(ボーイング767や737など)と比べると、降下時に泣いているお子さんがかなり少ないように体感します。

飛行機で耳が痛くなりやすい方、お子様連れの方、お肌の乾燥が気になる方、静かな機内を好む方、最新の飛行機に乗りたい方、快適な空の旅を過ごしたい方は、エアバスA350、ボーイング787を選んでみてはいかがでしょうか。

 

注)エアバスA350やボーイング787だから、耳が痛くならないと保証するものではありません。

 

参考 JAL日本航空 | AIRBUS A350

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