処方薬を使っても目が痒い方へ。大切なのは「洗眼」と「花粉対策メガネ」
[ 公開日: 2026/3/8 ]

花粉症で、目のかゆみがなかなか治まらない方がいます。エピナスチンLX(1日2回点眼)やアレジオン眼瞼クリーム(1日1回塗布)などの処方薬を使っていても、「全然かゆみが止まらない」と感じる方は少なくありません 。これは、あなたのせいではありません。
目の中に残っている花粉の量が多すぎると、処方薬だけでは抑えきれないことがあるからです。どれだけ薬を使っても、目の中に花粉が入り続けていれば、かゆみはなかなか引きません。
だからこそ、まず徹底したいのが、
- 目に入った花粉を物理的に洗い流すこと(洗眼)
- そもそも花粉を目に入れないこと(花粉対策メガネ)
の2つです。処方薬を使っても目が痒い方は必読ですよ♪
まずおすすめしたいのは、点眼型洗眼薬「ウェルウォッシュアイ」です

市販の洗眼薬には、①点眼型のウェルウォッシュアイと②カップ式(アイボンなど)がありますが、当院でおすすめしているのは ①点眼型洗眼薬「ウェルウォッシュアイ」です 。理由ははっきりしています。
花粉症の目のかゆみ対策で本当に大事なのは、1回だけ気持ちよく洗うことではなく、つらい時に、その場ですぐ洗えることだからです 。
- 持ち運びやすい: ウェルウォッシュアイは小さく、職場のデスクやレストランでも、「今かゆい」と思ったその場で使えます 。
- コンタクトのままOK: 裸眼はもちろん、コンタクト(ソフト・ハード)をしたまま使えるのも、日中の実用性という点で非常に大きいです 。
- 目に優しい: 防腐剤(ベンザルコニウム等)が無添加で、涙に近い性質のため、1日に何度も洗っても負担が少ないです 。
眼の洗い方のコツ

1滴、2滴では足りません。清潔な手で下まぶたを引っ張り、1回4〜6滴をしっかり洗い流すように垂らしてください 。ウェルウォッシュアイは『点眼(薬を差す)』ではなく、あくまで『洗浄(洗い流す)』のためのものです
- 事前にティッシュを準備する: あふれた液を吸い取るために、清潔なティッシュなどをあらかじめ準備しておきます。
- 洗い流すように点眼する: 清潔な手で下まぶたを引っ張り、目の中を洗い流すイメージで点眼します。パチパチとまばたきをすることで、目の中の隅々まで液が行き渡り、花粉を効率よく洗い流せます
- 容器の先に触れない: 容器の先が、まぶたやまつ毛、目に直接触れないように注意してください。
ポイント:
- 処方薬(点眼薬や眼瞼クリーム)と併用する場合には、先に洗眼薬(ウェルウォッシュアイ)を使用してください 。
- あふれた液は清潔なティッシュで吸い取ってください。
洗眼は「最低1日4回」。できれば6回を目指してください

当院では、洗眼を「思い出した時にやるもの」とは考えていません。最低1日4回は必須(ノルマ)とした上で、できれば6回を目指してください 。おすすめの基本タイミングは、次の4回です。
- 朝(起床時): 朝に点眼している方は、その前に洗眼してください。
- 昼食後: メイク直しをする方は、その前に洗眼してください。昼食後に1回入れておくと、午後がかなり楽になります。
- 帰宅時: 外で目についてしまった花粉を、これ以上症状を悪化させないよう、家に帰ったタイミングですぐにリセットしてください。
- 就寝前: 入浴前、洗顔前、夜の点眼をする前に洗眼しておくのがおすすめです。
この4回を基本にして、午後につらい時や花粉が多い日は、さらに追加してください。症状が強い方は、合計6回くらいまで増やした方が楽になることが多いです。
アイボンの添付文書に「1日の使用回数は3〜6回」と書いてあることをご存じの方はほとんどいないかと思います 。この用法を守るためには外出先での使用が欠かせませんが、カップ式には以下の問題があります。
- 持ち運びが困難: ボトルが大きく、洗面所がないと使えません。
- 手間が多い: 使用前後にカップを水道水で洗う必要があり、コンタクトも外さなければなりません 。
- 衛生面のリスク: 片目を洗った液で反対側を洗うことは禁止されており、毎回新しい液を用意する手間がかかります 。
花粉症シーズンに大事なのは、その場で何度も洗えることです。その意味で、当院はカップ式ではなく点眼型をおすすめしています。
花粉対策メガネは、重症の方には必須です

洗眼と同じくらい大事なのが、花粉を目に入れないことです。そのために有効なのが、花粉対策メガネです。
目に入る花粉を9割以上カットできるので、効果ははっきりあります 。見た目や煩わしさより、効果を優先してほしい対策です。特に、目のかゆみが強い方や処方薬を使っても症状が残る方には、必須のアイテムと考えてください。
近視でメガネをつけている方は、度付きで作ることもできますし、手持ちのメガネの上からつけるものもあります。
「もっと強い薬」ステロイド点眼・眼軟膏は当院では処方しません
患者さんの中には、「もっと強い薬はありませんか」とおっしゃる方がいます。ここでいう強い薬とは、フルメトロン点眼液やリンデロン点眼液やプレドニン眼軟膏、などのステロイド点眼・眼軟膏のことです 。
ただし、当院ではこれらは処方しません。ステロイドには、眼圧の急上昇(緑内障のリスク)や眼感染症の悪化といった重大なリスクがあるからです 。
処方薬を使ってもつらい時にまず徹底すべきなのは、洗眼回数を増やすことと花粉対策メガネを使うことです。重症の方ほど、薬を強くする前に「花粉を減らす」ことを本気でやるべきです。
来シーズンを楽にするなら、5〜6月から舌下免疫療法を考えてください

今年のつらさを乗り切るには、まず洗眼と花粉対策メガネです。そして、来年以降を本気で楽にしたいなら、5〜6月から舌下免疫療法(シダキュア)を始めるのが最も理にかなっています 。
舌下免疫療法は、花粉症体質そのものを治す「根本体質改善治療」です 。鼻症状だけでなく、目の症状にも効果が期待できます。来年の今ごろ、もっと楽に過ごしている自分を作るための治療として、ぜひ考えてみてください。
まとめ
処方薬を使っていても目が痒い。そんな時にまず見直していただきたいのは、薬の追加ではありません。
- ウェルウォッシュアイで、1回5滴、1日4〜6回の洗眼
- 花粉対策メガネで、目に入る花粉そのものを減らす
目のかゆみは、薬だけで押さえ込もうとするより、入った花粉を洗い流し、入る花粉を減らすほうがうまくいくことが少なくありません。処方薬を使ってもつらい方ほど、まずはここから徹底してみてください。
