院長ブログ

8/31 鉄道と寿司と地酒──山形・酒田の日帰り満腹紀行

[ 公開日: 2025/8/31 ]

🚄上越新幹線から日本海へ

今回は「どこかにビューーン!」で当たった新潟行き。ほんの“日帰り散歩”のつもりで東京駅を出発しました。

上越新幹線で新潟へ。そこから特急「いなほ」に乗り継ぎ、さらに北へ。村上を過ぎると車窓いっぱいに青い海が広がり、旅気分は一気に高まります。やがて列車は内陸に入り、田園風景を抜けて酒田駅に到着。東京から4時間弱──“日帰り散歩”のつもりが、思いのほか濃い一日になりそうだと感じました。

🍣酒田の寿司を堪能──寿し割烹こい勢

酒田での昼食は「寿し割烹こい勢」のカウンター。お任せで並んだ寿司は、どれも新鮮な地魚ばかりでした。

特に印象に残ったのは、地元でしかほとんど出会えない「オオクチイシナギ」。歯切れがよく、淡泊ながら奥に深い余韻を残します。そして「ウマヅラハギ」は肝と合わせて供され、濃厚なコクが広がる一品でした。

庄内名物の「ガサエビ」は握りでの甘み、味噌汁の濃厚な旨味と、まさに二様の顔を見せる贅沢な食材。さらに夏の短い時期しか出会えない「新子」は、旬の香りをぎゅっと凝縮した特別な一皿でした。

「お任せにぎり」は10貫で3,850円。内容を考えるととても満足度の高い価格。追加でお願いした新子は、旅の特別な記憶として残る一品になりました。……そして結果的に、お腹いっぱい(笑)。

握りの合間に登場した一品料理も忘れられません。ぷりぷりの「生牡蠣」は海の香りそのもの、「ガサエビの唐揚げ」は殻ごと香ばしく揚がり、日本酒のアテにぴったり。焼き魚は地物の「ハタハタ」で、脂の旨みと香ばしさが際立ち、握りとはまた違う酒田の海の豊かさを感じさせてくれました。

寿司に合わせたのは、地元の銘酒。まずは「上喜元 酒田早生」。復活した幻の酒米を使った酒田オリジナルの限定酒で、旨みとキレが寿司と見事に寄り添います。続いて「東北泉 純米大吟醸」。華やかな香りと軽やかさで、濃厚なネタもすっきりとまとめてくれました。

🏛️山居倉庫──米の町の知恵

食後は山居倉庫へ。黒塗りの土蔵とケヤキ並木が並ぶ姿は酒田の象徴です。
ここはただの米蔵ではなく、商人の知恵が詰まった保存装置。屋根や壁の二重構造、窓の配置、背後のケヤキ並木──自然を活かした工夫で冷房のない時代でも一年間米を保管できたのだとか。

酒田は米とともに歩んできた町。その歴史を、この蔵が今も語り続けていました。

山居倉庫とケヤキ並木

🚃快速「海里」──海岸線を走る動く部屋

午後は快速「海里」で新潟へ。今回はコンパートメント席を利用しました。扉はなくオープンな造りですが、テーブルを囲んで座れるので“動く自分の部屋”のような快適さ。しかも乗車券に指定席料金840円を足すだけで利用できるのです。

快速「海里」(酒田駅→新潟駅)
快速「海里」のコンパートメント

🌊笹川流れ──自然の彫刻

「海里」の最大の見どころは笹川流れ。車掌さんの案内に合わせて列車は速度を落とし、白い岩肌と青い海が織りなす景観をじっくり楽しめます。奇岩の連なりはまさに自然の彫刻。

桑川駅では26分停車。目の前に広がる日本海を散策しつつ海里限定の「ソフトクリーム」と「青さ汁」を味わいました。旅の途中でこうした“お楽しみ”があるのも、観光快速ならではです。

🍱帰りの新幹線で「加島屋御膳」──旅のオチ

実はこの日、快速「海里」でしか買えない特製弁当「加島屋御膳」を事前に予約していました。ところが酒田の寿司を堪能した直後でお腹はすでにパンパン。海里の車内では食べられず、そのまま大事に持ち帰ることに。

結局、夕食として開いたのは帰りの上越新幹線。流れゆく夜景を眺めながら一品ずつ味わうと、むしろ「旅の締めのご褒美」になった気がします。結果的には“第二のメインディッシュ”として、新幹線で食べて正解でした。

✨普通の日曜日に潜む冒険

もともとは“日帰りのお散歩”のつもりが、気づけば寿司も海もソフトも……。
小旅行なのか大旅行なのか、自分でもよくわからなくなりました(笑)。

ただ一つ言えるのは、限られた時間だからこそ旅は濃密になるということ。日帰りでも“一泊二日分”の充実度を味わえた、そんな一日でした。

👉 JR東日本のお得な旅「どこかにビューーン!」については、過去に利用した「秋田内陸縦貫鉄道の旅」で詳しく書いています。よろしければ🔗こちらもご覧ください。

 


 

🍣 寿司と日本酒リスト(資料編)

お任せにぎり
スルメイカ/漬けマグロ/ヒラメ/オオクチイシナギ/ガサエビ/ウマヅラハギ/サワラ/イワシ/本マグロ/ウニ (+ガサエビの味噌汁)

追加にぎり
アラ/石鯛/キジハタ/太刀魚/新子/ウマヅラハギ(おかわり)/ガサエビ(おかわり)/エンガワ

一品料理
生牡蠣/焼き魚(ハタハタ)/地物のもずく/ガサエビの唐揚げ

日本酒
上喜元 酒田早生(純米吟醸/酒田市・復活酒米使用)
東北泉 純米大吟醸(遊佐町)

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