院長ブログ

雪と黄葉と青空の北海道・美瑛

[ 公開日: 2025/10/30 ]

 

1. 朝、旭川空港からはじまる

✈️

旭川空港に着くと、昨日の雪がまだ残っていた。

道路はきれいに除雪されていたけれど、

山や畑の上にはまだ白く雪が積もっていて、秋と冬が入り混じっているよう。

冷えた空気を吸い込みながらレンタカーを借りる。

空は高く晴れ渡り、今日は“当たり日”の予感。

美瑛の丘へと、静かな朝のドライブが始まった。

 

2. 丘めぐり──光と風の道

🚗
レンタカーを走らせると、丘の上にうっすら雪が残っていた。
白い畑の上を、金色のカラマツが風に揺れている。
朝の光が差すたびに、雪がやわらかく反射して、丘の輪郭が浮かび上がる。

観光客はほとんどいない。
風とエンジンの音だけ。
昨日は雪、今日は晴れ。
その偶然が重なって生まれた景色だった。

昼を過ぎれば雪は溶ける。
ほんの数時間だけ現れた、静かな美瑛の姿。
シャッターを押す手を止め、ただその光景を見ていた。

3. フェルムラテール美瑛本店でランチ

🍽️
11時半、雪をかぶった畑の先にレンガ造りの建物が見えてくる。
「フェルムラテール美瑛本店」──地元産の素材を生かした人気店だ。
薪の香りと焼きたてパンの匂いが、外の冷たい空気と混じり合う。

最初の一皿は松川カレイのカルパッチョ
北海道産の白身は透きとおるように薄く、柑橘の酸味とオリーブオイルが軽やかに重なる。
噛むより先に舌の上でほどけて、雪解けのように淡い余韻を残す。

次に運ばれたのは焼き椎茸
地元の森で採れた肉厚の椎茸を、醤油バターで香ばしく。
表面の焦げ目が食欲を誘い、割ると中から湯気とともに豊かな香りが立ちのぼる。

さつまいものスープは、北海道ジャージー牛乳で仕立てたやわらかな甘さ。
そこに合わせるのは美瑛産小麦の焼きたてパン
外はパリッと香ばしく、中はもっちり。
スープのぽってりした甘みと合わさり、シンプルながら贅沢な組み合わせだった。

続いて登場したのがスモークサーモンのニソワーズ風サラダ
香ばしく脂ののったサーモンに、彩り豊かな野菜が並ぶ。
そこへかけられた自家製の玉ねぎドレッシングが見事で、
酸味と甘みのバランスが絶妙だった。

食中は「オホーツクフリー」で乾杯。
ノンアルながら深みのある苦みがあり、料理をしっかりと引き立ててくれた。

飲み物はオホーツクフリー。

ノンアルとは思えないほどコクがあり、

口に広がる苦味がサーモンにぴったりだった。

締めくくりはジャージー牛乳のプリン
とろりと濃厚で、スプーンを入れると静かに揺れる。
窓の外の雪景色を眺めながら味わうと、
この上ない満足感が胸の奥にひろがった。

素材のほとんどが地元産。野菜も牛乳も美瑛産。
ここでしか味わえない贅沢ランチであった。

そんな贅沢を静かに楽しむ時間だった。

 

4. 青い池──凍りはじめの静寂

💧

午後は青い池へ。

観光客は少なく、風もほとんどない。

池の一部が凍り始め、

枝の影が氷の上に薄く映っていた。

冬の入り口の青い池は、色よりも空気で感じる場所。

透き通る静けさに、心が落ち着く。

写真を撮る手も自然とゆっくりになる。

5. 白金温泉「碧の美 ゆゆ」──紅葉の湯と湯上がりの一杯

♨️ 

青い池から山あいの道を少し登り、白金温泉郷にたどり着いた。
川沿いに佇む「碧の美 ゆゆ」は、源泉かけ流しの湯がやわらかく肌に馴染む。
露天では赤い紅葉が風に揺れ、湯気の向こうに川の音が響いていた。

風呂上がりは美瑛サイダーを一気に、続けて濃厚なジャージー牛乳。
どちらも冷たく、身体の芯までしみわたる。
帰り道では温泉街の歩道に鹿のペアが現れた。
ちらりとこちらを見て、すぐに山へと駆けていった。

6. 旭川空港で締めくくり

🍺🍜

白金の湯で温まったあと、旭川空港へ戻る。
レンタカーを返して一息つき、まずはビールで乾杯。
泡のひと口に、今日の景色がふっと浮かんだ。

夕食はジンギスカンの香ばしさと、山頭火のとろ肉しおラーメン。
トロ肉チャーシューが口の中でとろけ、旅の締めにふさわしい味。

🌿

雪と黄葉と青空。

秋と冬のあいだのほんの短い季節に、

こんな美瑛の表情がある。

静かで贅沢な、日帰りのご褒美旅だった✨

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