👂 子どもの「痛くない中耳炎」とは?鼻かぜと滲出性中耳炎の関係【子どもの鼻と耳②】
[ 公開日: 2026/11/2 ]
お子さんの鼻水や咳が治まったら、「もう風邪は治った!」と思いますよね。
ところが、鼻水が治っても、耳の中には中耳炎が残っていることがあります。
しかも、耳の痛みも発熱もなく、普段どおり元気に遊んでいるため、保護者の方も気づかないことが少なくありません。
今回は、そんな「痛くない中耳炎」である滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)についてお話しします。

👂 痛くない中耳炎「滲出性中耳炎」とは?
中耳炎というと、耳が痛くなったり、熱が出たりする病気を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
それは主に「急性中耳炎」の症状です。
一方、滲出性中耳炎は、耳の痛みや発熱などの急性炎症症状がないまま、鼓膜の奥の「中耳」に液体がたまる病気です。
中耳に液体がたまると、音が伝わりにくくなり、難聴を引き起こすことがあります。
痛くないから大丈夫、というわけではないのです。
🔔 聞こえにくくても、気づかれない!
滲出性中耳炎が厄介なのは、難聴があっても気づかれにくいことです。
「呼んでも返事をしない」「テレビの音を大きくする」「聞き返しが増えた」などの変化が現れることもあります。
しかし、小さなお子さんでは、こうした変化がはっきりしないことも珍しくありません。
特に片耳だけの難聴では、もう片方の耳で聞こえるため、日常生活で明らかな異変がなくても、難聴に気づかないことがあります。
普段どおり元気に遊び、会話もできているからといって、耳が正常とは限りません。
だからこそ、保護者の方が気づく症状だけに頼らず、鼓膜をきちんと診察することが大切なのです。
👃 鼻かぜが治っても、中耳炎が残る理由
実は、鼻の奥と中耳は「耳管(じかん)」という細い管でつながっています。
耳管には、中耳の空気を入れ替え、鼓膜の内側の圧力を調整する働きがあります。
ところが、鼻かぜなどで鼻の奥の粘膜が腫れると、耳管の働きが悪くなり、中耳に液体がたまりやすくなります。
特に、保育園に通い始めた小さなお子さんは、鼻かぜを繰り返すことが多く、中耳炎になりやすい傾向があります。
鼻かぜに伴って滲出性中耳炎になる場合もあれば、急性中耳炎が治ったあとに液体だけが残り、滲出性中耳炎になる場合もあります。
鼻水がなくなったからといって、耳管の働きや中耳の状態まで元に戻っているとは限りません。

🔍 放置すると、耳に後遺症が残ることも!
滲出性中耳炎は、単に液体がたまって聞こえにくくなるだけの病気ではありません。
長期間改善しない場合、鼓膜が奥に引き込まれたり、癒着したりして、耳に後遺症が残ることがあります。
難聴が長く続くこともあり、病状によっては「鼓膜換気チューブ留置術」などの治療が必要になる場合もあります。
大切なのは、症状がないからと放置せず、耳鼻咽喉科で鼓膜や聞こえの状態を継続して確認することです。
後遺症が残ってからでは、治療をしても完全には元に戻せない場合があります。
だからこそ、鼻かぜの段階から、鼻だけでなく耳まで診察することが重要なのです。
🏥 子どもの鼻かぜは、最初から耳鼻科へ!
鼻水が多い風邪では、鼻の診察や鼻水の吸引だけでなく、鼓膜の状態を確認することが大切です。
宮前平トレイン耳鼻咽喉科では、お子さんの鼻と耳を一緒に診察し、必要に応じて継続的に耳の状態を確認しています。
お子さんの鼻水が多い風邪は、熱があってもなくても、ぜひ最初から耳鼻科へ!
次回は、小さなお子さんの鼓膜を、当院ではどのように詳しく診察しているのかをご紹介します。
