【台湾鉄道旅③】第5話(最終回)♨️加賀屋で貸切朝風呂! 最終日も台湾を楽しんで帰国
[ 公開日: 2026/10/12 ]
2026年9月24日(木)。
4泊5日の台湾旅行も、いよいよ最終日。
今日は台北松山空港14時20分発のJAL98便で羽田へ帰国する。
ホテルサンルート台北のチェックアウトは11時。空港までは近いので、午前中にはまだ時間がある。
🌅 朝5時、さて、どこへ行こう?
この日も朝5時ごろに起床。
しかし、肝心の行き先が決まっていない(笑)。
前日は集集線を全線乗り通し、偶然訪れた彰化扇形車庫で大感動。夜は欣葉台菜創始店で台湾料理を楽しんだ。
いや、楽しんだというより、完全に食べすぎた(笑)。
朝になっても、さほどお腹は空いていない。
昨夜の欣葉で持ち帰った料理を少し食べて、朝食はこれで十分。

しかも、昨日まで散々歩いているので、今日はできるだけ歩きたくない。
何より、まだ朝5時。
普通の観光施設は、ほとんど開いていない。
市場や寺院、博物館など、いろいろ候補を考えてみたが、どれも決め手に欠ける。
国家鉄道博物館も気になるものの、開館時間が遅く、帰国前に立ち寄るには少々慌ただしい。
それに昨日は、あれだけ素晴らしい彰化扇形車庫を見てきたばかりだ。
さて、どうしよう。
考えているうちに、ふと思いついた。
「そうだ、北投へもう一度行って、加賀屋で朝風呂に入ろう!」
一昨日、北投温泉を散策したとき、日勝生加賀屋の前まで行き、入浴しようかとかなり迷っていた。
しかし、あの日は夜に桃園で楽天モンキーズの試合を観戦する予定があった。
加賀屋でゆっくり入浴すると、そのままホテルへ戻りたくなってしまいそうだったので、結局見送ったのである。
ならば、今日入ればよい。
調べてみると、大浴場は朝7時から利用できる。
外で朝食をとる必要もないし、暑い中を歩き回る必要もない。
しかも、帰国日の朝に高級温泉旅館で朝風呂とは、少し贅沢ではないか!
こうして、最終日の予定がようやく決まった。
🚌 MRTより路線バス! 台北の街を眺めながら北投へ
北投へはMRTでも行ける。
しかし、ホテルから駅まで歩き、駅構内を歩き、さらに北投駅で新北投線に乗り換える。
昨日までかなり歩いているので、今日は少しでも足を休ませたい。
そこで、路線バスを利用することにした。

ホテル近くから277番に乗り、士林で承徳幹線の新北投方面行きへ乗り換える。
路線バスなら、座ったまま街の様子を眺められる。
これが実によい。
商店、住宅、学校、スクーター、通勤途中の人たち。
MRTでは見えにくい、普通の台北の暮らしが次々と現れる。
しかも、思ったより速い。
ただし、一つ問題がある。
台北の路線バスは、運転がなかなか豪快なのだ(笑)。
急発進、急ブレーキ、そしてまた急発進。
座っていても、思わず身構えることがある。
便利で、速くて、街もよく見える。
ただし、乗り心地は少々刺激的。
それも含めて、台北の路線バスは楽しい(笑)。
🏙️ 北投は温泉だけの街ではなかった!
士林から承徳幹線に乗り換え、北へ向かう。
やがて北投の中心部に入ると、窓の外が妙に賑やかになってきた。
市場や商店が並び、買い物客やスクーターが行き交っている。
北投って、こんなに人が多い街だったのか!
一昨日訪れた新北投は、温泉旅館や公園、博物館、地熱谷が集まる観光地だった。
ところが北投駅周辺は、まるで雰囲気が違う。
市場、商店、銀行、学校、住宅。
観光地というより、地元の人たちが暮らす生活の中心地なのである。
同じ北投でも、少し場所が違うだけで、これほど街の表情が変わるとは思わなかった。
新北投は温泉観光の街。北投中心部は、人々が暮らす活気ある街。
路線バスに乗ったおかげで、また一つ発見があった。

♨️ 日勝生加賀屋で、まさかの貸切朝風呂!

北投温泉に到着し、向かったのは「日勝生加賀屋」。
石川県・和倉温泉の老舗旅館「加賀屋」のブランドを冠した、本格的な和風温泉ホテルである。
北投温泉は日本統治時代に発展した温泉地で、日本式の温泉文化と深いつながりがある。
その北投に、現代の日本旅館を代表する加賀屋があるというのも、興味深い。

一昨日は外から眺めただけだったが、今日はいよいよ入浴する。
受付で料金を尋ねると、なんと980元(≒4900円)。
事前に調べていた通常料金より安い。
もちろん、日帰り入浴として決して安い金額ではない。
しかし、せっかくの台湾旅行。少し贅沢な朝風呂もよいだろう。
さっそく大浴場へ向かう。
北投らしい白濁した硫黄泉。
独特の温泉の香りが漂い、気持ちのよいお湯だ。
ところが、それ以上に驚いたことがある。
誰もいない!
広い大浴場に、私一人。
最初は、たまたま空いているだけだろうと思った。
ところが、いつまでたっても誰も来ない。
結局、約70分間滞在して、ほかの入浴客には一人も会わなかった。
完全な貸切状態である!
これで980元。
考えてみれば、ある意味、ものすごく安いのではないか!
あまりに客がいないので、思わず、
「これ、赤字じゃないの?(笑)」
しかし、こちらとしては最高である。
疲れた足をゆっくり休ませ、静かな朝の温泉を存分に楽しめた。
旅の最終日に、こんな贅沢が待っているとは思わなかった。

🌿 加賀屋の館内と、北投温泉の歴史

入浴後は、足湯や館内も少し見学した。
木材を多用した内装、和風の意匠、落ち着いた休憩スペース。
普通に立派な日本の温泉ホテルという印象である。
館内も人影が少なく、とても静かだった。

そして、加賀屋のすぐ脇には、北投温泉の歴史を伝える場所もあった。
かつての温泉旅館「天狗庵」に続いていた古い石段である。
現地には案内板も設置されていた。
天狗庵は1896年、日本人の平田源吾が開いたとされる、北投温泉草創期の旅館である。
古い石段は今も残り、私も写真に収めた。
100年以上前の温泉旅館の記憶と、現在の高級旅館が同じ場所に重なっている。
日本統治時代に発展した北投温泉が、今も台湾の人々に親しまれている。
温泉好きとしては、こうした歴史に触れられるのも嬉しい。

🚌 帰りは218番。路線バスで台北の街を楽しむ
加賀屋を出て、再び北投公園方面へ。
帰りは乗り換えなしでホテル近くまで戻りたい。
そこで選んだのが、218番の路線バスである。
北投公園から、ホテル近くの「大同公司(晴光市場)」まで一本で行ける。
温泉上がりに、サンダル履きでバスに座る。
なんとも気楽だ(笑)。
そして、ここでも一つ発見があった。
218番は新北投が始発だと思っていたのだが、実際にはさらに奥の住宅地から走ってきている。
そのため、新北投付近ですでにかなりの乗客が乗っていた。
しかも、ほとんどが地元の人たち。
そして、その多くが北投中心部で降りていった。
朝、行きのバスから眺めて驚いた北投の中心街。
今度は、そこへ向かう人の流れまで分かった。
なるほど、北投の住宅地と中心街を結ぶ、地元の人にとって大切な路線なのだろう。
こういうことは、実際に路線バスに乗ってみないと分からない。
🏙️ 士林から晴光市場へ、車窓がそのまま観光に
218番はさらに士林方面へ進んでいく。
途中では、士林夜市の周辺も通過した。
夜は観光客で賑わう場所だが、朝は普通の商店街という雰囲気である。

その後、車窓に巨大な球体を持つ建物が現れた。
台北市立天文科学教育館である。

近くには児童新楽園の小さな観覧車も見える。
さらに進むと花博公園の緑地が現れ、大同大学の前も通過した。
途中では、耳鼻咽喉科の診療所の看板も発見。

こういうものには、つい目が止まってしまう(笑)。
最初は、単に歩きたくないから選んだ路線バス。
ところが、北投の生活圏から士林、圓山へと、街の表情が次々と変わっていく。
移動しているだけなのに、しっかり観光も楽しんでいる。
これはこれで、実によい旅の方法だ。
🛍️ 晴光市場でからすみ購入! 値切り交渉は失敗(笑)
大同公司(晴光市場)でバスを降りた。
ホテルまでは徒歩数分。
そのまま戻ってもよかったが、せっかくなので晴光市場を通って帰ることにした。
すると、台湾名物のからすみ「烏魚子」を売っている店を発見。
赤褐色のからすみが、真空パックでずらりと並んでいる。
値段を尋ねると、
1個600元(≒3000円)。
2個なら1,100元(=5500円)。
そこで、
「2個で1,000元にならない?」
と交渉してみた。
結果は……。
値切り失敗(笑)。
結局、2個1,100元で購入した。
しかし、市場でのこうしたやり取りも旅の楽しみである。

さらに歩くと、「晴光紅豆餅」という店を発見。
台湾版の今川焼きである。
小豆あんを1個購入。20元(≒100円)。
食べてみると、日本の今川焼きより甘さが控えめで、小豆そのものの味が感じられる。
これが美味しい。
朝はあれほどお腹がいっぱいだったのに、こういうものは食べられるらしい(笑)。

🧳 台北の母港、ホテルサンルート台北を出発
ホテルへ戻り、最後の荷造り。
冷蔵庫に残っていたマンゴーやシャインマスカット、マンゴー台湾ビールなども少しずつ片付ける。
最後の台湾グルメというより、冷蔵庫の在庫一掃である(笑)。

そして11時、チェックアウト。
今回の4泊5日は、ずっとホテルサンルート台北に宿泊した。
ホテルを変えず、台北を拠点に毎日違う方向へ出かける旅だった。
朝になると鉄道やバスで出発し、夜にはまた戻ってくる。
すっかり旅の母港という感じである。
そのホテルとも、いよいよお別れ。

松山空港まではタクシーで向かうことにした。
今回の台湾旅行で、タクシー利用はこれがわずか2回目。
台鉄やMRT、路線バスを使うこと自体が旅の楽しみなので、タクシーの出番が少なかったのである。

✈️ 松山空港でチェックイン待ち
ホテルから松山空港までは近い。
タクシーですぐに到着した。
帰国便は14時20分発のJAL98便。
チェックインと預け荷物の受付開始は、出発2時間30分前の11時50分である。
11時にホテルをチェックアウトしたので、多少早く着くのは仕方がない。
スーツケースを持って展望デッキまで行く気にもならず、カウンターの近くで受付開始を待った。

やがて荷物を預け、保安検査と出国審査を通過。
さて、ここからもう一つの楽しみがある。
松山空港のラウンジを、2軒とも利用してみようというのである。
🍜 Plaza Premium Loungeで、また台湾料理!

まず訪れたのは、Plaza Premium Lounge。
明るい木目を使った、比較的新しいラウンジである。
ホテルラウンジのような雰囲気で、居心地がよい。
そして驚いたのが、食事の充実ぶり。
ビュッフェに加え、注文してから作ってもらえる台湾料理のメニューが用意されていた。
確認できただけでも6種類。
麻辣牛肉麺、台湾風の油飯、豆花など、台湾らしい料理が揃っている。
私が選んだのは、
麻辣牛肉麺と鶏絲油飯。
辛い牛肉麺と、鶏肉を使った台湾風のご飯である。

さらに小皿料理や白ワインも楽しみ、最後は手作り豆花までいただいた。
空港ラウンジで、こんなに本格的な台湾料理が食べられるとは!
そして案の定……。
またしてもお腹いっぱいになってしまった(笑)。
前夜の欣葉から、ずっと食べ続けている気がする。

😱 搭乗券がない! 一瞬、本気で焦った
ラウンジで少し仕事をしようと、パソコンを取り出した。
ところが、ここで大事件発生!
搭乗券が見当たらない!!
ポケットを探す。
バッグの中を探す。
パソコンケースの周囲も確認する。
しかし、ない。
これは本気で焦った。
いくら空港の制限区域内に入っているとはいえ、搭乗券がなければ困る。
慌てて確認したところ、幸いラウンジの受付に届けられていた。
どうやら受付付近で落としてしまったらしい。
無事に回収できて、ようやく一安心。
実際には2分ほどの出来事だったが、かなり長く感じた(笑)。
その後パソコンを開くと、表示された時刻が少しおかしい。
あれ? と思ったが、すぐに納得。
パソコンの時計が日本時間のままだったのである。
台湾とは1時間の時差があるのだ。
🍨 Airlines VIP Loungeもすごい! でも、もう食べられない
続いて、もう一つのAirlines VIP Loungeへ。

こちらもきれいで、しかもPlaza Premium Loungeより広く感じられる。
ソファ席も多く、ゆったりした雰囲気である。
そして、食事の種類が実に豊富!
牛肉麺などを作ってくれるヌードルカウンター。

蒸籠に入った飲茶。
さまざまな温菜や軽食。
さらに、MÖVENPICKのアイスクリームまである。
こちらも充実している。
Plaza Premium Loungeは、注文式の料理と洗練された雰囲気が魅力。
Airlines VIP Loungeは、広さと料理の種類の豊富さが印象的だった。
どちらも甲乙つけ難い。
ただし、一つ問題がある。
私は、すでにお腹いっぱいなのだ(笑)。
飲茶も食べたい。
アイスクリームも食べたい。
しかし、もう食べられない。
せっかく2軒もラウンジを回ったのに、食欲が先に限界を迎えてしまった(笑)。

🍱 満腹だったのに、機内食まで完食(笑)

いよいよ帰国便のJAL98便へ。
機材はボーイング787-9。
窓側席に座ると、さすがに少し疲れが出てきた。
朝5時に起きて北投へ行き、加賀屋で朝風呂。その後も市場へ立ち寄り、空港ではラウンジを2軒も回った。
最終日はのんびりするつもりだったのに、結局それなりに動いている(笑)。
しかも、お腹はいっぱい。
「もう機内食はいらないかな」
と思っていた。
ところが、離陸後に機内食が運ばれてきた。
メインはトマトソース系の肉料理。
野菜や副菜、デザートも付いている。
これが、なかなか美味しそうなのである。
そして結局……。
きれいに完食してしまった(笑)。
しかも、キリン一番搾りまで飲んでいる。
あれだけラウンジで食べたのに、機内食まで美味しくいただけるとは。

🚂 台湾鉄道旅①②③、1年越しの宿題を達成!
食事を終え、窓の外を眺めながら今回の台湾旅行を振り返った。
台湾鉄道旅①②では、災害による不通のため、平渓線にも集集線にも乗ることができなかった。
しかし今回、念願がかない、両方の路線を乗り通すことができた。
さらに、台北ドームや桃園での野球観戦、九份や基隆、北投温泉、台湾料理なども満喫した。
そして何より、まったく予定していなかった彰化扇形車庫との出会い。
あれは、本当に素晴らしかった。
思い返せば、台湾鉄道旅①②③と、毎回いろいろな出来事があった。
列車に乗るだけでなく、途中の街を歩き、食事を楽しみ、思いがけない発見をする。
ときには予定どおりにいかないこともあったが、それも含めて楽しい旅だった。
3回にわたる台湾鉄道旅。
乗りたかった路線に乗り、思いがけない出会いにも恵まれ、十分に満足した。
🌅 最後の最後に、夕焼けの富士山!
そんなことを考えながら窓の外を眺めていると、空の色が少しずつ変わってきた。
夕焼けである。
オレンジ色から赤、そして薄紫へ。
雲の上に、いくつもの色の層が広がっている。
飛行機から眺める夕焼けは、地上とはまた違った美しさがある。
そして、その向こうに見えてきたのが……。
富士山!
夕焼けを背景に、くっきりと浮かび上がる美しいシルエット。
周囲の山々よりもひときわ高く、あの独特な形がよく分かる。
さらに眼下には太平洋。
そして、伊豆大島の姿も見えた。
富士山、太平洋、伊豆大島。
台湾から帰る最後の最後に、こんな美しい景色を見ることができるとは!
ようやく日本へ帰ってきたのだと実感した。
寝て帰るつもりだったのに、結局機内食を完食し、夕焼けを眺め、富士山まで楽しんでしまった(笑)。
最後まで、旅は続いていたのである。
台湾鉄道旅①②③、これにて完結!


